第2次東海市健康増進計画
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64 「おじいさん、家でTVの番ばかりしていないで、外にでも行って来たら!」今朝も掃除をしながら妻が私に言うのを、座椅子にもたれて聞こえないふりをしている。このところ毎朝この繰り返しだ。妻は社交的で、先日も健康交流の家に切り絵を見に行ったようだ。「切り絵クラブの人に誘われて、やってみたら意外と楽しかったのよ。センスがあるってほめられちゃったし。おじいさんも行ってみない?」私も何か始めたいとは思うが、これまで仕事一筋、近所に知り合いもいないし、なかなか思い切れない。 今日も昨日の繰り返しか、と思ったところに、隣の繋木ご夫妻が尋ねて来た。「二人に折入って頼みがあるんだが。最近、ひとり暮らしの高齢者も増えたから、昔あった『ふれあい会食』のような皆で楽しく食事ができる場があるといいなあと考えているんだけど。一緒に手伝ってくれんか?」「わしゃー、男だし、料理は無理だわ。」と渋ると、「まあ、味付けは、ばあさんたちに任せて、買い出しでも片づけでも自分ができる範囲でやれれば、わしらも楽しいし。欲をいえば、畑を借りて皆で野菜を作って出せるといいと思うのだけど…。」と熱心に誘ってくれる。妻が「最近忘れっぽくなっているから皆さんに迷惑かけてもいけないし、参加者ならいいけど。」と言うと、「わしらも同じだよ。でもな、調理は、段取りを考えて行動するから、認知症の予防にもいいらしいよ。一緒にやろまいか。」 繁木さんに何度も誘われるうちに、いつの間にかその気になり、私は、ご近所の仲間と一緒に「喫茶GBa」を始めた。妻は「繋木さんに声をかけてもらって本当に良かった。そうでないと、おじいさんは、いつまでも地域の人と仲良くなれなかったから。口では面倒くさいと言っているけれど、内心は私以外の人とも話がしたいと思ってたから…。」と喜んでいる。 独り暮らしで足を不自由にした絹さんも、喫茶GBaにご飯を食べにやってきて、私たちの姿を見ているうちに、「実は私、昔、食生活改善推進員をしていて、料理なら手伝えるから。」と仲間になってくれた。喫茶GBaには、地域の人たちが「家で作った野菜だけど、喫茶で使ってよ。」といろいろな食材を持ち寄って来て、世話をする人も参加する人も、お互いがとても楽しい居場所になっている。 孫の元気も遊びに来ると喫茶GBaに行きたがる。ご近所の皆さんが教えてくれる割り箸鉄砲が気に入ったようで、ここではいつも高齢者と子どもたちの明るい声が響いている。そして、大人でも、子供も、ふだんから、声が掛け合える関係性がある「お互いさまのまち」になっている。 私も喫茶GBaの活動を始めてから知り合いも増え、今では地域のグランドゴルフにも参加し、趣味に、健康づくりにと、第2の人生を楽しんでいる。「第2の人生 地域デビュー」主人公絆 茂さん(70歳)  妻:きん(68歳)10年後のストーリー

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