第2次東海市健康増進計画
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参考資料65 今日はラジオ体操公開放送の日。私は、家族そろって早くから会場に到着していた。夫は公開放送初参加で浮き立っている。私は、友達に元気に挨拶している二人の子どもを眺めながら、かつてのラジオ体操公開放送の日の事を、懐かしく思い出していた。 そう、5年前のこの日。私は小1になった娘と下の子を連れてくるのに、精一杯だった。小学校から全校生徒集合という連絡をもらった私は、午前6時に子ども達をゆさぶって起こした。しかし、一向に起きる気配がない。それもそのはず。私は、子ども達をこの時間に起こした事がない。 なんとか二人を起こし、ようやく連れていった会場で、私はびっくりした。会場にいる子どもと大人の様子が、はっきりと違うのだ。元気に走り回っている子や、今日は何を食べてきたか競っている子がいる。その一方で、運動場に猫背でペタンと座り込み、まだ目が覚めずボーッとしている子も目立つ。大人もそうだ。 我が子をみれば、なんだか元気がなくてぼんやりしている。私も今日は子どもを起こすのが精一杯。ご飯も食べさせてこなかった。昨日はおもしろいテレビがあって、子ども達は午後10時過ぎまで起きていた。家族の健康を考え、食事の内容はそれなりに気をつけているつもりだったのに。 もやもやした気持ちで家に帰ると、子ども達は「ごはんまだ??」と言って、いつもはほとんど食べないごはんを、おかわりしてまで食べた。体を動かしたので、おなかが空いたのだろう。 その日から私は、子ども達が早寝、早起きするようにプランを立ててみた。そう、あの元気に走り回っていた子を目標にするのだ。 まず家庭菜園で、娘が好きなミニトマトを植えた。毎朝水やりをさせて、朝起きるのが楽しみになるようにと思ったからだ。それからラジオ体操にも誘ってみる。ラジオ体操を終えて、朝ご飯を食べよう、そう決心した。小さなプランだが、実行するには、難しい日もあった。しかし、私の努力している姿に触発されたのだろうか。一番遅く起きていた夫が、娘を起こしてくれるようになったのだ。夫も早起きしてラジオ体操をする事で、朝の時間にゆとりが出来て、出勤時間が早くなる。すると、夕方に残業として回していた仕事が、朝のうちにスムーズに片づいてしまうという。 あれから5年。毎日根気よく続けたおかげで、今、子ども達は、朝6時に自分で起きるようになった。生活リズムが良いおかげか、あまり風邪もひかず、すくすくと育った。小6になって背がすっかり伸びた娘は、今日も朝からトマトに水をやっている。家族でゆっくり囲む朝ご飯の時間は、夫には娘との会話を楽しめる貴重なひとときだ。 今度、ラジオ体操公開放送が巡ってくるのが、いつの事であるか。その時、自分と娘たちはどうなっているか、楽しみにラジオ体操を続けていこう、私はそう思った。主人公健光 幸代(41歳)「新しい朝が来た。希望の朝だ。」10年後のストーリー

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